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ジフォルタ®の作用

ジフォルタ®は、がん細胞が増えるのを抑えたり、がんを小さくしたりするお薬です。

①ジフォルタ®がDHFRのはたらきを抑える ②葉酸のはたらきが低下する ③がん細胞の増殖を抑える

私たちのからだのなかで細胞が増えるとき、葉酸が重要な役割を果たします。
葉酸は、ジヒドロ葉酸還元酵素(省略してDHFRといいます)という酵素のはたらきを必要とします。
このDHFRのはたらきを抑えると、細胞が増殖できないことがわかっています。

治療のスケジュール

ジフォルタ®の治療は、週1回の静脈内注射により投与します。注射を1週目から6週目まで続けたあと、7週目はお休みします。

ジフォルタの治療スケジュール画像

ジフォルタ®の投薬方法

  • 投与は、週1回
  • 静脈内注射により投与
  • 1回の投与時間は約3〜5分※1

ジフォルタ®治療が受けられる期間は、特に決まっていません。病気の進行や重い副作用などがみられないかぎり、治療を続けることができます。
*:医療機関によって、投与方法や投与にかかる時間が異なります。

ビタミン補充療法

ジフォルタ®による副作用( 口内炎など)を軽くするため、ジフォルタ®治療開始10日以上前から2種類のビタミンを補充します*。

葉酸(飲み薬)
  • 自宅で1日1回、毎日服用します。
  • ジフォルタ®を休薬する期間(投与7週目)も毎日服用します。
  • ジフォルタ®を最後に投与してから30日間、毎日服用します。
ビタミンB12 (注射薬)
  • 8~10週ごとに1回、ジフォルタ®を使用する前に筋肉内注射します。
  • ジフォルタ®治療を続けている間は、ビタミンB12の注射も続けます。

*: 担当医により処方が異なることがあります。担当医の指示に従いましょう。

主な副作用

ジフォルタ®治療により、次のような副作用の症状がみられることがあります。
これらの症状があらわれた場合は、ただちに担当医や看護師、薬剤師にお伝えください。

口内炎
症 状

お口のなかが腫れぼったい、何となくヒリヒリする、痛い、お口の粘膜がざらざらする、赤くなっている、つばを飲み込むとき、のどに引っかかる、熱いものや冷たいものを食べるとしみる・・・など

骨髄抑制(貧血、血小板減少症、リンパ球減少症、好中球減少症など)
症 状

手足に点状出血、あおあざができやすい、出血しやすい(歯ぐきの出血・鼻血・生理が止まりにくい)顔色が悪い、疲れやすい、だるい、頭が重い、どうき、息切れ突然の高熱、さむけ、のどの痛み・・・など

感染症( 肺炎、敗血症、帯状疱疹など)
症 状

風邪のような症状、からだがだるい、発熱、さむけ、咳、息切れ、関節の痛み、嘔吐、皮膚に小さな水疱がある、チクチク・ピリピリする・・・など

皮膚障害(中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、皮膚潰瘍など)
症 状

目の充血、めやに、まぶたの腫れ、目が開けづらい、くちびるや陰部のただれ、排尿・排便時の痛み、のどの痛み、皮膚の広い範囲が赤くなる、高熱(38℃以上)・・・など

腫瘍崩壊症候群
症 状

ジフォルタ®の効果により、たくさんのがん細胞が急速に壊れた場合に起こります。ただ、患者さんご自身が気づくような症状は、あまりありません。この副作用は、初めてジフォルタ®治療を受けてから、半日~3日後くらいの間に起こります。
もし、おしっこの量が減ったり、体調がおかしいと感じられた場合は、すぐに担当医や看護師、薬剤師にお伝えください。

口内炎予防のためのお口のセルフケア

お口のなかは、ジフォルタ®の影響をとても受けやすく、治療開始1週目から口内炎の副作用が起きることがあります。
口内炎の予防や、口内炎の症状を軽くするために、ジフォルタ®治療中は、お口のなかを毎日自己点検したり、ご自身でケアすることがとても大切です。

お口のケアに大切な3つのポイント
  1. ポイント1 清潔に保つ 歯磨き
  2. ポイント2 保湿する うがいの励行 保湿剤の使用
  3. ポイント3 痛みをやわらげる 痛みどめの服用
お口の汚れの有無を確認
歯のすきまや歯肉のさかい目の汚れ
舌の表面の汚れ(舌苔)
口臭や味覚の変化を確認
粘膜の状態を確認
色・乾燥の有無
口内炎ができたら次を確認
  • ● 場所・大きさ
  • ● 痛みの程度
  • ● 出血の有無

口内炎のできやすい場所

くちびるの裏 口角からほお粘膜 下の側面から下の裏

お口のなかに変化が出たら、担当医または看護師、薬剤師に報告しましょう。早くみつけて、専門の歯科医で早期に対応(清掃や痛みをやわらげる処置など)することで、口内炎の悪化を防ぎましょう。

お口のケアに大切な3つのポイント

ポイント①
清潔に保つ

歯ブラシは、ブラシの部分が小さくて毛がやわらかいものを選びましょう。
強くみがいて傷がつくと、そこから口内炎が広がる可能性があるので、気をつけましょう。

正しい歯のみがきかた
  1. 毛先を歯の面にあてる
  2. 軽い力で動かす
  3. 小刻みに動かす

ポイント②
保湿する

2~3時間ごとにうがいをし、お口のなかの乾燥を防ぎましょう。しみることがなければ、うがいは水道水で十分です。市販の口内保湿ジェルを使用しても問題ありません。水道水や保湿剤でお口のなかがしみたり、痛みが出たりする場合は、生理食塩水でうがいをしましょう。強くみがいて傷がつくと、そこから口内炎が広がる可能性があるので、気をつけましょう。

参考:生理食塩水の作り方とうがい

  • ペットボトルにつくり置きし、1日で使い切りましょう
    [水500mLに対し食塩4.5g(小さじ1杯弱)を溶かす]
  • 必ずコップに注いでから、うがいをしましょう

ポイント③
痛みをやわらげる

痛みがあるときは我慢せずに、担当医に相談して痛みをとることが大切です。口内炎の痛みによって十分な食事がとれなくなると、治療を乗り切るための体力が維持できなくなったり、治療によって生じた副作用が悪化してしまうこともあるためです。
痛みの程度や症状にあわせて、鎮痛薬を使用します。特に強い痛みに対しては、モルヒネなどの医療用麻薬(オピオイド鎮痛薬)を使用することもできます。
医療用麻薬(オピオイド鎮痛薬)は、痛みの治療を目的に、適切に使用すれば安全なお薬です。

痛みの度合いによって使用が推奨される鎮痛薬
痛みの段階解説図
参考資料:世界保健機関(WHO)方式 三段階除痛ラダー

その他の口内炎の予防法(クライオセラピー)

ジフォルタ®の投与開始前(約5分前)から投与終了30分後まで、お口の中に氷を含んで冷やす『クライオセラピー』を行う場合があります*。

お口のなかを冷やして血管を縮めることで、ジフォルタ®による影響を軽くする可能性があるといわれています。クライオセラピーをするかどうか、どのように準備したらよいかは担当医、または看護師に相談し、指示に従いましょう。
*: 担当医により処方が異なることがあります。担当医の指示に従いましょう。

口内炎ができてしまったとき

口内炎の症状の段階(グレード)があり、数字が大きくなるほど口内炎の症状が重くなります。
下記の症状がみられたら、担当医、看護師、薬剤師に報告してください。

口内炎の段階(グレード)と対処/治療
口内炎の段階
(グレード)
症状 対処/治療
1
  • お口のなかの粘膜に赤みが出る
  • わずかな症状のため、食事への影響はほとんどない状態
  • うがいの励行
2
  • まだら状の潰瘍ができたり、膜ができる
  • 食べやすく加工した食べ物を飲み込める状態
  • うがいの励行
  • 保湿剤の使用
  • 口腔内の冷却
  • レーザー照射による治療
3
  • まだら状の潰瘍や膜があわさり、少しの傷で出血する
  • 十分な食事や水分の摂取ができない状態
  • うがいの励行
  • 保湿剤の使用
  • 口腔内の冷却
  • 麻酔薬や鎮痛薬の使用
参考資料:厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル 「抗がん剤による口内炎」, 2015年5月, 11~16.

日常生活の注意点

  • 睡眠や休養を十分とるようにしましょう。
    夜の睡眠時間が短いときには、日中お休みできる時間を作りましょう。
  • だるい、疲れ、息切れなどがみられた場合は、急に立ち上がったり激しく動いたりすることは避け、ゆっくりとひと呼吸をおいてから動きましょう。
  • ふらつき、めまいなどの症状がみられた場合は、椅子に座って、膝より頭を下げるか無理のない姿勢で安静にしましょう。
  • 感染予防のために、手洗い、うがいはこまめにしましょう。無理のない範囲で、毎日お風呂に入るか、シャワーを浴びましょう。体調がよくないときは、全身を温かいタオルで拭くなどの方法で、からだを清潔にしましょう。
  • 感染しやすい状態や時期は、外出の際になるべくマスクを着用しましょう。
  • 体重の減少がみられた場合、ジフォルタ®による副作用の可能性があります。担当医、看護師、薬剤師に伝えましょう。
  • 口内炎の予防のために、タバコは控えましょう。

状態にあわせた食事の工夫

基本的に制限はないので、食べられるものを食べられるときに食べましょう。
口内炎ができてしまったときは、お口のなかへの刺激が強い食べ物は避けましょう。

食べやすいもの:おかゆ、冷奴、茶碗蒸し、卵豆腐、バナナ、牛乳、プリン、ゼリーなど
控えた方がよいもの:かんきつ類、せんべい、カレー、熱い汁物、塩分の強いもの、パイナップル、キウイ、お酒など